建築設計事務所「日建設計」のグループ会社として、まちづくりや環境・エネルギー分野に特化したシンクタンクとして活動している、株式会社日建設計総合研究所様（以下、NSRI様）。
立科町テレワークセンター(以下、TTC)では、NSRI様に事務・営業アシスタント業務をアウトソーシングしていただいています。今回は、そのアウトソーシングまでの道のりや、TTCのサービスに対する感想などお話しを伺いました。

ーご依頼の業務内容についてお聞かせください。

①営業・契約に関するスケジュール管理支援（スケジュール入力・チェック）
②公募案件検索支援（案件検索と社内への発信）
③営業資料作成支援
④社内向けリマインドメールの発信
①から順に依頼し、現在④まで拡大しています。

ー依頼内容の切り出しにおいて、難しかった点や、依頼が拡大した理由について教えてください。

私たちの会社は技術職が主体で、事務は少ない人数で対応していました。そのため、どこまで自社で行うべきか、どこから外部に委託するべきかの線引きが非常に難しかったです。特に営業関連では、外に出せない情報もあり、守秘義務の面で悩みました。しかし、実際に業務を委託してみたところ、業務が効率化され、徐々に依頼を増やすようになりました。最初は少量の依頼から始めましたが、自分たちの時間が有効に使えることが分かり、さらに依頼を拡大しました。

ーTTCに業務を依頼するきっかけを教えてください。

観光庁が推進していたワーケーションの実証実験で、ワーケーションに積極的に取組む自治体として立科町さんをご紹介いただきました。立科町のさまざまな取り組みを伺う中で、TTCの事を知り、事務系業務のアウトソーシングを検討していたことから、ご相談させていただくこととなりました。

ーアウトソーシングを検討するようになった理由を教えてください。

弊社はそれほど大きくない組織のため、固定費の増加につながる事務系職員の人数を簡単には増やせません。しかし、業務の電子化や、各種法令、コンプライアンス対応など、年々事務作業が増える一方です。そのため、業務量と人員規模のバランスを取るために、なにか妙案はないかと思案していました。

ー固定費の削減や業務量のバランスを考慮した結果、アウトソーシングを選んだとのことですが、具体的にはどのようなメリットを感じましたか？

アルバイトさんや派遣さんを雇う場合、労務管理が必要で、その負担が大きいですが、TTCに依頼することで時間管理の負担が軽減されました。また、派遣社員のスキルや経験が合わない場合も常に心配するところでしたが、TTCからは、ニーズに合った方をご紹介いただけたので、安心して依頼できました。

ー事務業務の増加に伴い、どの業務を外部に依頼するか決めるのは難しくありませんでしたか？

ルーチン作業でも、ちょっとした判断が必要になることがあり、すぐに指示ができないと困ることが多いです。業務委託では、自立してある程度仕事ができる必要がありました。また、最初は数分で終わる簡単な作業を依頼することに対して、「こんなこと頼んでいいのかな？」と遠慮がありました。しかし、依頼してみて、「あ、いいんだ。これも頼んでみよう」という風に考えが変わりました。

[リモートでの今回の取材の様子]

ー依頼の経緯や、どのように連携を進めたのか教えてください。

当初は依頼する業務量が少なくなることが心配でしたが、「小さく始めて、うまくいったら拡大していきましょう」とお話しいただいたことで、まずはスタートしてみました。依頼内容も、すべてをお任せするのではなく、弊社とTTCの役割分担で連携し、業務の進捗がわかるようにしました。

ー役割分担やコミュニケーションについて、工夫した点があれば教えてください。

役割分担をすることで、業務の進捗が分かり、余裕を持って判断できるようになりました。TTCのワーカーさんとのコミュニケーションでは、単なる事務的なやり取りにとどまらず、メールでお子さんのことを聞くなど、親しみやすさを大切にしています。

ーTTCを選んだ理由や、選んで良かったと感じる点を教えてください。

当初はこれらの業務を派遣社員の雇用で対応しようと考えていました。しかし、派遣社員の雇用には派遣法による期限の制約があり、継続的に同じ仕事を続けてもらうことが難しい状況でした。また、費用面でも派遣社員を社内に雇用する場合と比較すると、委託費用と派遣費用の差や、社内にワークスペースを確保するコストがかからないなど、TTCには大きなメリットがあります。

ー成果や効果について具体的に教えて下さい（コスト削減、効率化、品質向上など）。

派遣社員の雇用と比較して、コスト削減に大きな効果がありました（約4割削減）。また、ある程度社内で手を動かす必要がある業務を一部委託し、社外の方に私たちの業務対応を違う視点で見ていただくことで、ダブルチェックの役割を果たしてもらい、ミスの削減による効率化や品質向上にもつながっています。

ー業務担当のワーカーさんに対する感想をお聞かせください。

仕事が非常に早く、また社員へのお知らせメールを写真付きで作成してもらった際、最初は「変なことを頼んでしまったかも」と思いましたが、結果的に非常に良い感じに仕上げていただきました。センスが良いと感じています。社員の反応としては、最初は驚いた様子でしたが、月末の大事なお知らせとして注目されるようになり、しっかりと見てもらえていると思います。

[社内のお知らせメール。
冒頭の挨拶や、写真をTTCのワーカーが作成。]

ーTTCへの依頼を通じて、どのように地域貢献ができていると感じますか

TTCへの業務依頼は、弊社業務の効率化、高度化につながっていますが、弊社の目的達成と同時に、地方振興・雇用創出の一助になっているとすれば、非常に光栄です。

ーTTCへの業務依頼がSDGsの目標8「全ての人が働きがいを持って働く」に貢献していると思いますが、この取り組みが貴社のブランドや社内にどのような影響を与えていると感じますか？

リクルートの学生などが「女性の活躍」などの社会的取り組みに注目していると感じます。こうした形（TTCへの業務依頼）で当社の取り組みを知ってもらう機会は少ないのですが、今回の取材がきっかけになればと思っています。

ー最後に、これからアウトソーシングやTTCへの依頼を検討している企業に対してメッセージをお願いします。

特に弊社のような小規模企業では、事務部門への負担が年々増えていると感じます。また、どの仕事をお願いするのかを考える時間もないほど忙しい状況だと思います。ある程度まとまった量が必要ではないかと心配されるかもしれませんが、少ない業務量からでも相談ができますので、ぜひ一度相談してみることをお勧めします。

インタビュー後記

このたびは、貴重なお時間を割いてお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。インタビューを通じて、業務依頼の拡大や委託プロセス、そして実際に得られたメリットについて、多くの貴重なご意見を伺うことができました。

特に、公募案件検索という特殊な業務において、検索条件の絞り込みや詳細なマニュアルをご提供いただいたおかげで、TTCのワーカーが迅速に業務に慣れ、スムーズに進行することができました。このように、クライアント様のご協力があってこそ、TTCの業務が滞りなく遂行できていることに、心から感謝しております。

今後とも、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。改めて、今回のインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました。